私たちは認知症そのものを関係の障害として捉えようとしてきました。社会的関係の障害、家族的関係の障害だけではなく、自分自身との関係がとれなくなっている、これを私たちは「関係障害」と名づけてきました。
年老いてもの忘れをし、人に介助してもらわねばならない自分を認めることができず、心の中だけで過去の自分に回帰することで、アイデンティティを確認しようとしている、それを私たちは「見当識障害」なんていう医学用語で呼んでいるのですが、ここで起きていることはもっと人間的なことだと考えられます。老いに伴う人間的変化、人間的反応、人間的ドラマが起きていると言うべきでしょう。
UpDate 2024/09/29
- 2024・09・29 リメイク情報
記事追加・修正 ブリコラージュ Vol.57 1997.6月より
『関係障害論』を解剖する 芹沢俊介 ~老いの尊厳を奪回する強靭な処方
- 2024・09・22 リメイク情報
記事追加・修正 ブリコラージュ Vol.57 1997.6月より
三好春樹 自著を語る ~遠くまで行くんだ
- 2024・09・14 ブリコラージュ 秋号(10・11月)号案内
特集【 髙口光子の十番勝負 スペシャル 】
【第1弾】介護家族に伝えたいこと
にしおかすみこ meets 髙口光子
【第2弾】なぜ私たちは縛るのか
~身体拘束の背景から見えてきたもの~
高木俊介×髙口光子×小林敏志
【第3弾】安心して生きて死ねる社会をつくろう
~今、時代はケア社会へ~
上野千鶴子 vs 石井英寿vs髙口光子
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耳寄り情報 (10月~11月セミナー)
Read Me Please!
● 経済よりいのち 原発より介護
● 安価な電力 安価ないのち
● 金と嘘と暴力で作った原発に さよならを
● 命と自然を売るな、買うな
必読!【介護夜汰話】 三好春樹を追体験!
「投降のススメ」(三好春樹)
経済優先、いじめ蔓延の日本社会よ / 君たちは包囲されている / 悪業非道を悔いて投降する者は /
経済よりいのち、弱者最優先の / 介護の現場に集合せよ 【記事はこちら】
必読!【入浴ケアの現在】
機械浴を導入すれば省力化するなどと信じてる人が多くいて、膨大な補助金が使われている。しかし、事実が逆である。機械化するほど介護量は増える。これは『正義の味方につける薬』(拙著、筒井書房)に掲載された古いデータだが、東京の特養「駒場苑」を先頭に広がりつつある「機械浴ゼロ」の施設で調査しても、同じ結果になるはずである。 (三好春樹)
※参照 【入浴ケアの現在 PDF】 『正義の味方につける薬』より抜粋
どんな入浴ケアをするのか、それが問われている!
近代幻想の現代人は、機械やロボットに頼ろうとする。でもわれわれ人間は、近代的でありながら未開と原始でもある。さらに生き物であり、生理的身体である。 その根拠となる生理学を活用すれば、機械なんかなくていいことが分かる。(私の実技講座にくるべし) そこから私たちは、老人と自分自身を「近代的個人」に閉じ込めるのではなく、未開、原始、さらに、生き物としての自分を取り戻すことができるのだ。ちょっと大げさになるけど、入浴ケアをどうするかに、私たちの人間観が、狭いか、広いかが問われているのだ。
著書は情報ではない。
出版不況で、本が売れない。介護の本も売れない。情報はタダで手に入ると思われている。しかし、著書は「情報」なんかじゃない。〈ま、情報を並列しただけの「本」が多いのは事実だが。〉情報は、私によって選ばれ、解釈され、私の体験とクロスして、一つの世界を作る。それが著書だ。読書とは、世界を体験することだ。
相模原の事件を超えるために
ヒューマニズムだけではなく、科学もナツィが、進化論を改ざん悪用した「優生思想」は、思想的に批判されているのはもちろん、「種の保存」のために個体が犠牲になるなんてことは自然界にはないと、科学的にもはっきり証明されている。
突然変異という異端、多様性こそが進化の原動力だ。事件の深層にある国家主義、全体主義を超えるために、ちゃんとした進化論を知ろう。毎日新聞は「どんな命も輝いている」と題する社説を掲載したが、新聞の社説に代表されるようなヒューマニズムだけでは、足下をすくわれるぞ。
「進化と人間行動」は、そのための、おすすめ本のひとつです。読むと、世の中には「思想」や「科学」を装ったデマが多いなあ、という感想を持ちました。生活や介護に「科学」を持ち込まれるのは困りものだけど、ほんとの科学的態度は大事!
相模原の事件は、恐るべきものだ。
でも、ほんとに恐るべきは、弱者、少数派に対する差別的発言が、大っぴらに語られているという背景だ。アメリカのトランプ?もちろんそうだ。でも、日本でも、石原慎太郎や、麻生太郎なんて連中が、差別的発言を繰り返し、それが許されていること、国家主義が露呈してきたことこそ、今回の事件の背景ではないのか?
必読!「ブリコラージュ旅団」インドツアー
「生きたい」と「死にたくない」
インドを旅行してきた。雲母書房の社長の茂木敏博さんがきっかけだ。なにしろ、彼は今回で6回目のインドだという。かつてインドへ行って、人間観、世界観が変わったという話をよく聞かされてきた私は、何が彼をこんなに惹きつけるのか、自分も体験したいと思ったのだ… 【全文を読む】
必読!「東 THE EAST」三好春樹紹介記事!
Vol.39, No.6, MARCH/APRIL 2004
Reportage MIYOSHI HARUKI
A New Idea and the Practice of Elderly Care in Japan
(日本における老人介護の新しい思想と実践)
三好の講演の主眼は、「痴呆は脳の病気ではない。関係障害だ」という視点から、では実際どうやって痴呆老人の介護を行えばよいのか、その説明にある。痴呆が社会・家族・自分自身との関係障害であるということは、痴呆の対処法は少なくとも痴呆老人の数と同じだけあるということになる。1人ひとりの老人について、その人が受け入れ可能な人間関係を老人と一緒に作っていくこと… 【全文を読む】